多くの人が「デザインなんてわからない」「アートなんてさっぱり」と言って、全てをデザイナーに任せてしまいます。でも実は、「デザイン」と「アート」の違いを混同している人がたくさんいます。

普段の生活でもよく見かける「デザイン」と「アート」、そして「デザイナー」と「アーティスト」という言葉。これらは一見ただの呼び方の違いのようですが、実際には大きな違いがあります。

その違いは、それぞれの役割が追求する結果にあります。デザインには多くの場合、改善の結果としてのコミュニケーションが含まれます。理解できなくても、自分が何を求めているかを知って、時間をかけてそれを実現するのが大事です。一方、アートは…うん…すごく深奥なことで、私も全く理解していない思います。

「情報伝達」と「自己表現」の違い

でも、簡単に言えば、アーティストは自分の感じたことや思いを自由に表現することで「自己表現」をします。他人がどう評価するかよりも、自分が何を表現したかが重要で…しょう。

私たちのような(カメラマン兼)デザイナーは違います。デザイナーはデザインを通じて情報を伝達し、クライアントのターゲットオーディエンスに何かしらの行動を促すことが求められます。

飲食店のメニューデザインにおいては、結果が重要です

デザインは「美しい」「カッコいい」「インパクトがある」だけではなく、長年の飲食業での経験に基づき、クライアントのニーズを理解した上で作成されます。そして、なぜそのデザインが良いのかを説明し、クライアントに最適な提案を行います。

クライアントのニーズは、店舗の規模、立地、商品、サービスなどによって異なるため、「これが正解!」というものは存在しません。

デザインには完璧な答えはない

トップクラスのデザイナーやコピーライターでも、成功率が100%ではありません。ですから、初めての試みで理想の結果が出なくても、その結果をもとに調整し、クライアントの求める結果を追求します。

簡単に言えば、デザイナーとして、私たちはクライアントの要望を理解し、それを実現するための労働者に過ぎません。クライアントが何を求めているのかを知り、その要求を満たすために全力を尽くすことが重要です。

例えば、画像の海鮮大咖のデザインでは、アート的な要素はゼロですが、クライアントが必要とする全ての情報と、美味しそうな(私が撮った)海鮮の写真をメインにして、オープン記念の宣伝効果を狙っています。シンプルでわかりやすく、効果的です。