腸粉(チョンファン)は広東省発祥の料理で、その名は巻かれた形が腸に似ていることに由来します
香港では20世紀初頭から茶楼や屋台で親しまれ、今では朝食や軽食として定番の一品です。
米粉で作られた薄い生地を蒸して滑らかな食感に仕上げ、牛ひき肉やエビ、叉焼などの具材を包みます。牛肉入りは特に人気があり、生姜やネギで風味を加えた肉が、甘醤油と絶妙に調和します。この醤油は、醤油に砂糖やごま油を加えて作られ、食べる直前にかけることで旨味が引き立ちます。
庶民的な屋台から高級レストランまで幅広く見られるB級グルメ
腸粉は少量ずつ提供されるため、飲茶の場でシェアしやすく、庶民的な屋台から高級レストランまで幅広く見られます。特に戦後の香港で栄えた大牌檔(屋台文化)では、豆漿(温かい豆乳)や白粥(プレーンなお粥)と一緒に腸粉を楽しむのが定番でした。
今日でも牛肉入り腸粉は、香港の食文化と懐かしさを象徴する料理として愛され続けています。竹製の蒸し器でも、プラスチック皿でも、甘醤油が温かい腸粉に染み込むその瞬間は、多くの香港人にとって「故郷の味」なのです。
この写真のちょっとしたポイントなんですが、皆さん気づきましたか?スプーンが左側から画面に入ってきてるんです
普通は右手で持つ人が多いと思うんですけど、なんで左からなんでしょう?
実はこの写真、撮影したのは私ひとりでして、つまり自分で木のスプーンを持ちながら撮ったんです。左手でスプーンを持って腸粉に醤油をかけて、右手でシャッターを押して、その瞬間を狙ったというわけです。
タイミングをぴったり合わせるには、やっぱり自分で全部コントロールするのが一番スムーズなんですよね。この写真は、香港のにぎやかなローカル食堂で撮ったもので、後ろではお客さんが腸粉を食べながら私の撮影を見てました(笑)。
香港って、すごくテンポの速い街なので、お店の営業の邪魔にならないように、営業中にサッと撮影を終わらせるのが基本です。そんな環境のおかげで、私はひとりで動きながら撮るスタイルが自然と身につきました。左手で食器を持って、右手でシャッターを切る。まさに香港のフォトグラファーらしいスピード感ある撮影スタイルです。
ちなみにこの写真は、フラッシュと高速シャッターを設定して、10回以内のトライで仕上げました。撮影時間は5分以内で完了。たぶん、周りのお客さんはまだ腸粉食べ終わってなかったと思います(笑)。
先に言っておくと、私の本業は写真だ。二十年以上、香港で千を超えるレストランを撮り歩き、皿の上の一瞬の光を追いかけてきた。料理は逃げないが、美味しく見える瞬間は逃げる。だから私はいつも、まるで事件現場を調べる刑事のようにレンズを構える。犯人は光、被害者は影、そして私はその関係を暴く。
そんな私が、ちゃっかり翻訳もやっているのは単に語学が好きだからだ。写真で皿の表情を捕まえるのと同じように、言葉にも“いい角度”がある。中国語と日本語をいじって楽しむのも、結局はその延長線上だ。
このサイトに写真・デザイン・飲食だけでなく、言語の話題まで並ぶのは──まあ、そういう性分ということだ。
