写真のエッジ部分に赤や緑、紫の縁取りが現れる「色収差」は、レンズの特性によって生じる一般的な光学的問題です

Darktableのchromatic aberrationsモジュールは、RAWデータを必要とせず、JPEGなどの非RAW画像にも対応して色収差を補正できる便利なツールです。


Lightroomに同様の機能はある?

はい、Adobe Lightroomにも類似の機能があります。Lightroomの「レンズ補正」パネルには「色収差を除去」というチェックボックスがあり、紫や緑の縁取りを自動的に検出して補正します。また、手動でスライダーを使って微調整することも可能です。ただし、Darktableのような詳細な制御はできません。


おすすめの使用手順(ワークフロー)

chromatic aberrationsモジュールを効果的に使うには、以下のステップがおすすめです:

  1. レンズ補正モジュールのTCAスライダーを使って、色収差をできるだけ軽減します。
  2. strength(強度)スライダーを上げて、補正効果を視認しやすくします。
  3. radius(半径)スライダーを徐々に上げて、色収差が消えるまで調整します。効果が不十分な場合は「very large chromatic aberrations(非常に大きな色収差)」オプションを有効にします。
  4. **guide(ガイド)**で最もシャープでアーティファクトの少ない結果が得られる色チャンネルを選択します。
  5. strengthを下げて、色の鮮やかさが失われすぎないように調整します。

さらに高度な補正が必要な場合は以下の方法も試してみましょう:

  • 「brighten only(明るい部分のみ補正)」と「darken only(暗い部分のみ補正)」のモードを使って、複数のインスタンスを作成。
  • 低強度のインスタンスを複数使い、少しずつ補正することで色の劣化を防ぐ。
  • パラメトリックマスクや手描きマスクを使って、補正範囲を限定。
  • RGBのブレンドモードを使って、特定の色チャンネルにのみ補正を適用。

モジュールのコントロール項目

コントロール名説明
guide(ガイド)補正の基準となる色チャンネル(赤・緑・青)を選択します。
radius(半径)補正の範囲を設定します。色収差が消えるまで徐々に上げていきます。最も重要なスライダーです。
strength(強度)補正の強さを調整します。高くすると補正が強くなり、低くすると元の色を保持しやすくなります。
correction mode(補正モード)明るい部分のみ、または暗い部分のみを補正するモード。RGBブレンドモードや複数インスタンスと併用すると効果的です。
very large chromatic aberrations(非常に大きな色収差)演算を繰り返すことで、極端な色収差にも対応します。

まとめ

Darktableのchromatic aberrationsモジュールは、Lightroomよりも細かい調整が可能で、特に複雑な色収差の補正に強みがあります。Lightroomでも基本的な色収差補正は可能ですが、より高度な編集を求めるならDarktableのこのモジュールは非常に有用です。

次回は他のモジュールについても詳しく解説しますので、お楽しみに!